Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

こころ

こころ

夏目 漱石

Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

「あなたは何でそうたびたび私のようなものの宅へやって来るのですか」

「何でといって、そんな特別な意味はありません。――しかしお邪魔なんですか」

「邪魔だとはいいません」

なるほど迷惑という様子は、先生のどこにも見えなかった。私は先生の交際の範囲の極めて狭い事を知っていた。先生の元の同級生などで、その頃東京にいるものはほとんど二人か三人しかないという事も知っていた。先生と同郷の学生などには時たま座敷で同座する場合もあったが、彼らのいずれもは皆な私ほど先生に親しみをもっていないように見受けられた。

「私は淋しい人間です」と先生がいった。「だからあなたの来て下さる事を喜んでいます。だからなぜそうたびたび来るのかといって聞いたのです」

「そりゃまたなぜです」

私がこう聞き返した時、先生は何とも答えなかった。ただ私の顔を見て「あなたは幾歳ですか」といった。

この問答は私にとってすこぶる不得要領のものであったが、私はその時底まで押さずに帰ってしまった。しかもそれから四日と経たないうちにまた先生を訪問した。先生は座敷へ出るや否や笑い出した。

「また来ましたね」といった。