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Classici giapponesi con furigana

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こころ

こころ

夏目 漱石

Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

しかし私から何にも聞かないKは、この顛末をまるで知らずにいました。私もかえってそれを満足に思って、のっそり引き移って来たKを、知らん顔で迎えました。

奥さんとお嬢さんは、親切に彼の荷物を片付ける世話や何かをしてくれました。すべてそれを私に対する好意から来たのだと解釈した私は、心のうちで喜びました。――Kが相変らずむっちりした様子をしているにもかかわらず。

私がKに向って新しい住居の心持はどうだと聞いた時に、彼はただ一言悪くないといっただけでした。私からいわせれば悪くないどころではないのです。彼の今までいた所は北向きの湿っぽい臭いのする汚い室でした。食物も室相応に粗末でした。私の家へ引き移った彼は、幽谷から喬木に移った趣があったくらいです。それをさほどに思う気色を見せないのは、一つは彼の強情から来ているのですが、一つは彼の主張からも出ているのです。仏教の教義で養われた彼は、衣食住についてとかくの贅沢をいうのをあたかも不道徳のように考えていました。なまじい昔の高僧だとか聖徒だとかの伝を読んだ彼には、ややともすると精神と肉体とを切り離したがる癖がありました。