Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
次郎吉はとんでもないというふうに首を振った、「あにいに疑いをかけるなんて、そんなつもりはこれっぽっちもありゃあしねえよ、おらあただここへ入れといた金が財布ごと」
「やい、次郎べえ」と寝そべっていた他の人足の一人が、寝そべったままで云った、「――てめえのふところから、落っこちそうになってるのはなんだ」
えっと云って次郎吉は自分の胸もとを見、いまにも落ちそうになっている財布をみつけて、吃驚したように口をあけた。
「これあどうも」と彼は頭を掻いた、「どうもこいつあとんだしくじりだ、そういえばさっき包みをあけたとき、こいつをふところへ入れたのを度忘れしちまったんだな、どうもめんぼくねえ、ただいまのお笑いぐさだ」
「なにがお笑いぐさだ、ふざけるな」と初めの男がするどく叫んだ、「ひとを疑ぐるようなことをぬかしゃあがって、お笑いぐさたあなんだ、この野郎ふざけると承知しねえぞ」
「ちょっと待ってくんな」次郎吉は片手を前に出し、あとじさりをしながら、追従するような声で云った、「おらあなにもあにいを疑ったことなんかありゃあしねえ、とんでもねえ、おれは自分のまぬけさかげんがお笑いぐさだって云ったまでなんで」