Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
そこまで聞いて栄二は立ちあがった。そして次郎吉のほうへ歩み寄りながら、勝あにい、と呼びかけた。次郎吉が振り向き、周囲にいた人足たちもなにごとかというように、二人のほうへ眼を向けた。
「なかまでは慥か、勝あにいと呼ばれていたっけな」と栄二は云った、「ちょっと話があるんだ、外へ出てくれ」
「なんだって、どうして」次郎吉は眼をそばめながらひどく吃った、「おらあ次郎吉っていう名で、勝あにいなんていう者は知らねえが」
「外へ出ればわかるよ」
「おめえはなにか人違いをしているんだ」
「外へ出ろっていうんだ」栄二は拳をあげて次郎吉の顔を殴った、「――てめえは忘れたかもしれねえがこっちは覚えてるぞ、女衒の六、外へ出たくねえのなら、ここでてめえのしたことをばらしてやろうか」
「お、おらあ」次郎吉は舌が硬ばったのだろう、すぐにはあとの言葉が続かず、救いを求めるように周囲の男たちを見まわした、「頼む、あにいたち、この男は」
そう云いかけたが、誰の顔にも軽侮と憎悪の色しかあらわれていないのを見ると、彼はいきなり土間へとびおり、引戸をあけて外へとびだした。栄二もすぐにあとを追い、部屋にいた人足たちの殆んどが、そのあとに続いて走り出た。