Classici giapponesi con furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Leggi 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) di 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.145 caratteri · 440 schermate
ガガガ――」
金吾の下駄の音はそれを引離して歩いて行く。
向うからギ、ギ、ギといわせて中年の魚屋が荷をかついで近づいてくる。
金吾 あのう、ちょっと伺いやすが、千九百五番地というのはこのへんだと思いやすが――
魚屋 (立ちどまって)千九百五番地だって? 九百五番地なら、この左手の四五軒が五番地だがね。なんという内だね?
金吾 黒田さんという内でやすけど――?
魚屋 黒田? 黒田なんて内は無かったなあ。
金吾 そこの内にいる春子さまというんでやすけど、さっきからいくら捜してもわからねえんで。
魚屋 春子さんというと、その内の御主人かね? いくつ位の人かね?
金吾 もう四十を越した人で、十六七の敏子さまという娘さんと御一緒だろうと思いやすけどね。
魚屋 わしはこの辺でもう二十年も魚屋をやっていて、たいがい知らねえ事あ無えけんどなあ……ああ、もしかするとあの内かな? いやね、もうあれは十五六年も前になるかな、たしか黒田さんという学者の人が住んでいたことがあった。さしみが好きでよく取ってくれたっけが――しかしそれだと、もうあれから二代ぐらい代変りで、今では石川さんという標札が出てるよ。