Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんがいばんれいとう

三界万霊塔

久生 十蘭

Leggi 三界万霊塔 (さんがいばんれいとう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.716 caratteri · 39 schermate

Aozora Bunko

青木はこの辺の島の事情に通じているので、マライタ島は危険な島ということになって、監視船もめったにやってこないもんだから、いい気になって領海へ入りこんで新しい貝の調査をやっているんだ。馬鹿にしていやがるとむやみに怒りだした。

「足立さん、面白くないじゃないか。こんなナメた真似をされて、ひっこんでいられるかね。めんどうくせえ。ダイバーを四五人おびきだしてワラ族に呉れてやろうか。ほらあの伝でさ。なんだったら、おれが呼びだしに行っていいぜ」

マライタの環礁は完全に領海内で、もしそこにいい貝床があるなら、望むと望まぬにかかわらず、当然こちらの権利に属するものであり、船団のやりかたはいかにも不当と思われた。山崎はヒステリックになって、

「仕込みの金をだしたのは僕なんだ。こっちの財産を盗まれているのに、だまって見ているやつがあるか」

と眼を釣りあげた。戸田はニヤニヤ笑いながら、

「まあそうイキリ立つなよ。誰もだまってなんかいやしないじゃないか。船長と青木に任せておきゃいいんだ」

と、はぐらかすようにいった。

それはともかく、むこうのダイバーをよんで顔つなぎの飲み会をやろうということになり、青木が船団から来るという返事をもって帰ると、船長は小峰にボートを漕がせて一人でワラ族のいる入江のほうへ出かけて行った。