Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
うそも方便とはいえ、現在の母たるものがなんたる! と思えばおさよも心中に泪をのまざるを得なかった。
「それにねえ殿様、あんな堅いのに限って――得てあとは自分からうちこんで参るものだとか申しますから、まあ、この婆あにまかせて、お気を長くお持ち遊ばせ」
源十郎は上機嫌、廊下の板に立ちはだかって、襟元からのぞかせた手でしきりと顎をなでては、ひとり悦に入りながら、
「うむ、そういうものかな、はははは、いや、大きにそうであろう。おれは何も、あれを一時の慰み物にするというのではないのだ」
「それはもう……わたくしも毎日よっく申しきかせておりますんでございますよ、はい」
「と申したところで、水茶屋では公儀へのきこえもあることだからとても正妻になおすというわけにはいかんが、一生その、なんだな、ま、妾ということにしてだな、そばへおいて寵愛したいと思う」
と源十郎は、口から出まかせにさもしんみりとして見せるが、一生そばへおいて――と聞いて、貧窮のどん底から下女奉公にまで出ているおさよの顔にちらりと引きしまったものが現われた。
「殿様」
「なんだ? 改まって……」
「ただいまのおことば、ほんとうでございましょうね?」