Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate

Aozora Bunko

これから起こったことだった。

栄三郎は、横を向いてほかのことに紛らそうとした。

「泰軒どのもひさしくお見えにならぬが、どうしておらるるかな。この寒ぞらに船住いもなかなかであろう」

と、さむ空……という言葉に初めて気がついたように、急にブルルと身ぶるいをして、消えかかった火鉢の火に炭をつごうとした。

「あなた!」

お艶の声は、底にいまも噴き出しそうな何ものかを含んで、懸命におさえていた。

「あなたッ!」

「なんだ?」

栄三郎の手に、炭をはさんだ火箸がそのまま宙にとまる。

「なんだ、そんな顔をして」

ジロリと白い一瞥を栄三郎へ投げて、お艶はしばらく黙っていたが、

「そんな顔こんな顔って、これがあたしの顔なんですもの、今さらどう張りかえようたって無理じゃアありませんか」

「なに?」

「いいえね、万事あの根津のお嬢さんのようにはいきませんてことさ」

「お艶、お前、何を言うんだ?」

「馬子にも衣装髪かたちッてね――それゃアあたしだってピラシャラすれば、これでちったあ見なおすでしょうよ。けど、お金ですよ。それにゃア……お、か、ね! わかりましたか」

「ばかな! お前はこのごろどうかしている」