Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
栄三郎は取りあおうともせずにしずかに炭のすわりをなおしだしたが、内心の激情はどうすることもできないらしく、火箸のさきがブルブルとふるえて、立てるそばから炭をくずした。
ふたりとも蒼い顔。紙のように白いくちびる――。
あくまでもこの喧嘩、売らずにはおかないといったように、お艶が突如いきおいこんで乗り出すと、膝頭が膝にぶつかって、番茶の茶碗が思いきりよく倒れた。
むッ! とした栄三郎、
「ナ、何をするんだ!」
「なんだいこんなもの!」
お艶はもう一度、膳の角をつかんで荒々しくゆすぶった。瀬戸物がかち合って、はげしい音をたてる。
「お艶ッ!」
「だってそうじゃありませんか。この世の中に何ひとつお金でできないことがありますか。あたし、あなたといっしょになる時、まさかこんなに困ろうとは思わなかった……このごろのようにこんなみじめな装じゃあ――」とお艶は、自分の着ている継ぎはぎだらけの黄八丈の袖をトンと引っ張って、「恥ずかしくってお豆腐一つ買いに出られやしない。あたし、呉服屋のまえを通るときなんか、眼をおさえて駈けるんですよ」
「……すまない」
「すむもすまないもないじゃあありませんか、年が年中ピイピイガラガラ、家んなかは火の車だ。