Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
ここにお取上げになり、荒筵のうえに坐らせられて、八丁堀同心見習の若侍が握り飯二つに梅干を添えてお手当として持ってくる。これをすぐさまむさぼるように食べて、大事の訴えに朝飯を食わずに来たという非常ぶりを見せなければならない。そのようすを当番の与力が訴え所の障子を細目に開けて見ていて、これはいかさまよほど重大な願いごとがあるのだろうと、そのおもむきをお奉行さまへ上申して第一の御前調べにひき出される……これが、当時公事の通とも言われるものは必ず一とおり心得ていた駈込み訴えの順序とコツ。
言うまでもなく、これはすべて、お役所での法外の法なのだが――。
が、しかるに今。
お艶は、お役宅の門をたたいて駈込みの訴えだといったから、相手はここいらにふさわしからぬなまめかしい女のことだし、門番も、奇異の感とともに面倒に思って、雨中ではあり、さっさとひっこんでしまいそうにするので、
「アノ、ちょっと殿様の御存じの者でございますが……」
お艶が言いかけるが、
「ナニ? 御前がお前見識りごしだというのか」
「いえ。わたくしではございません。お出入りの大工伊兵衛と申すものが八丁堀お役人ていの追剥ぎに斬り殺されまして――」