Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
まず差入れ申す一札のこと……と、書きはじめて、やっと筆をおいた。その文言はこうだった。
差入れ申す一札のこと
一金五十両也。上記のとおり確かにお受取り申し候。娘艶儀、御前様へ生涯抱切りお妾に差上げ申し候ところ実証なり。婿栄三郎方は右金子をもって私引き受け毛頭違背無御座候。為後日証文依而如件。
享保四年四月十一日。
艶母 さよ
鈴川源十郎様
御用人衆様
この誓文を書き残したおさよは源十郎が棟梁伊兵衛を殺して奪った金……内いくらかは松平出羽守お作事方の払い金と、大部分はたらぬとはいい条、現在むすめお艶が羽織に身売りしたその代とを〆めて五十になる。それを持ってイソイソと本所の鈴川様おやしきを立ち出たのだった。
一歩、屋根の下を離れると、忘れていた春の最中である。
もう早い夏のにおいが町の角々にからんで、祭りの日のような、何がなしに楽しい心のときめきがふと老いたおさよの胸をかすめる。
幼いころの淡い哀愁であろうかその記憶が、陽光のちまたを急ぎゆく老女のおぼつかない感懐をすらそそらずにはおかないのだった。
これも、春のなすすさびであろう。
正直なかわりに単純そのもののようなおさよは、この、人血に染む金で娘のみさおを渡し、それによって展かれるであろうはかない最後の安逸を、早くもぼんやりと脳裡にえがいて、ひとりでに足の