Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate

Aozora Bunko

声が、薄い口びるの角から押し出された。

「俺のいいてえことをいっていやアがらあ。ハハハハ、何やかやと今まで延び延びになっておったが俺と手前は、夜泣きの刀を一つにするために、どっちか一人は死ななきゃアならねえんだ。なら栄三郎、去年の秋、俺が根岸曙の里の道場を破ったとき、俺とてめえは当然立ち会うべくして立ち会わなかった。今日は竹刀の代りに真剣だが、あの日の仕合いのつづきと思って、存分に打ちこんで参れッ!」

いよいよ栄三郎ひとりと見きわめた左膳は、真剣よりも、本当に仕合いにのぞんでいる気で、こうネチネチといいながら、じっと独眼をこらして栄三郎の顔に注いだが、あたまは、鈴川源十郎に対する火のような憤怒にもえたっていた。

さては、謀られたな!

と左膳、歯ぎしりをかんで思うのだった。

かの源十郎、いつのまにやら栄三郎に与して、自分をここまでおびき出したに相違ない。

とすれば!

栄三郎のほかに多数の伏勢が待ち構えているはずだと、左膳は一眼を光らせて、再び樹間、起伏する草の上を眺めまわしたが、やはり凝りかたまったような真昼の森のしじまには、笄橋の下を行く水の流れが音するばかり……何度見ても人の気配はない。