Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
いわば空家、かたなを取ったうえで存分にじらし謝まらせ、さていうことをきかせてやろう! こう豆太郎なみの智恵にそそのかされたのであろう、やにわに隠れていた風呂場の隅から飛び出したかれ、
「もらったぞ!」
一こえどなるより早く、パッ! 夜泣きの大小を弥生の手からかすめとって、同時に小廊下づたいに台所へ跳びおりたかと思うと、そのまま水口の戸障子を蹴倒して戸外へ走り出た。
「ああ――!」
としばし、わがことながらポカンとしていた弥生、秒刻をおいて気がついて見ると、じぶんの身長より高いくらいの陣太刀二口を抱えた豆太郎が、森の木のあいだをくぐり抜けて、みるみるそれこそ豆のように小さくなっていくから、はじめて事態の容易ならぬを知った弥生、呆然から愕然へ立ち返るとともに、
「おのれッ!」
一散に後を追いだした。
一丁。
二丁。
昼なお小暗い子恋の森の真ん中である。
斧を知らない杉、楓、雑木の類がスクスクと天を摩して、地には、丈なす草が八重むぐらに生いしげり、おまけに、弥生にとってぐあいの悪いことは、豆太郎がその草にのまれて、どこにひそんでいるのか皆目見当のつかないことだ。