Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
「お呼びでござりますか」
「ああ。わしにかまわずにやすみなさい」忠相の眼じりに優しい小皺がよる。「わしはまだ調べ物もあるし読書もしたい……だがな、大作――」
と肥った身体が脇息にもたれると、重みにきしんでぎしと鳴った。
「さきほど役所で見ると、浅草田原町三丁目の家主喜左衛門というのから店子のお艶、さよう、三社まえの掛け茶屋当り矢のお艶とやら申す者の尋ね書が願い立てになっておったが、些細な事件ながら、越前なんとなく気にかかってならぬ。いや、奉行の職義から申せば市井の瑣事すなわち天下の大事である。そこで大作、この婦人の失踪に関連して何ごとかそのほうに思いあたる節はないかな?」
「さあ、これと申してべつに……」
大作は面目なさそうに首をひねった。すると忠相は何かひとくさり低音に謡曲を口ずさんでいたが、やがて気がついたようになかば独りごちた。
「――あの櫛まきのお藤と申す女、かれはもと品川の遊女で、のち木挽町の芝居守田勘弥座の出方の妻となったが、まもなく夫と死別し、性来の淫奔大酒に加うるにばくちを好み、年中つづみの与吉などというならずものをひきいれて、二階は常賭場の観を呈しておることはわしの耳にもはいっておる。