Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

Leggi 光は影を (ひかりはかげを) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.262 caratteri · 276 schermate

Aozora Bunko

そういう空気のなかで、真喜は、兄の方へときどき皮肉な微笑をなげ、自分だけが別な世界をもつているとでも言いたげな、いわば反抗的な無関心さをあらわに示した。

で、努めて、それら家族の一人一人に、自然な態度で立ち向おうとしている京野等志も、どうやら、自分の顔が硬ばるのを意識して、あちこちへ眼をそらし、結局、ひとり言のように、

「さあ、あしたからは、なにをするかな。ルンペンになつたのを幸い、しばらく旅行でもするかな」

と、言つた。

「おまえもやつぱりやめたのか?」

父は、予期していたように、天井を向いて言う。

「やめないわけにいかんでしよう。僕は自分でなにか仕事をはじめますよ。勤めるのは、もう、いやです」

「贅沢を言つとる。自分でなにができる!」

「もちろん、できる範囲のことをやるんです。まあ、すこし考えさしてください。真喜、なにが可笑しいんだ?」

真喜が首をすくめたので、こつちもそれに釣りこまれて小鼻をふくらました。

「あら、あたし、笑つてなんかいないわ。できる範囲のこと、なんて、別に自慢にもならないことおつしやるから、ちよつと、兄さまらしくないと思つたのよ」

「そうか、自慢にならんか。