Classici giapponesi con furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Leggi 光は影を (ひかりはかげを) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.262 caratteri · 276 schermate
たゞ、一点、慎重を期すべきは、なんといつても、当の相手、南条なる男の、俗にいう頭のよしあし、腕のあるなし、だが、これは、等志が、古くから友人としてすべてのことを知りぬいているわけだから、ひとつ、参考意見を、割引なしに言つてもらおうじやないか」
「お父さん、おつゆがさめますよ」
と、母親の弓が、急きたてた。
「あゝあ、もうおなかがいつぱいになつちやつた。時に、等志兄さん、お仕事の口、みつかつた?」
真喜は、つと、起ちあがりながら、そう言つて、返事もきかず、行つてしまつた。
父は、さつきからの様子でみると、南条己未男の申込みをむげに、一蹴する気持はないらしく、真喜の無関心は、たゞこの年頃の娘の羞かみ、乃至、見栄にすぎぬと思いこんでいるのである。
「お父さんは、あんまり、むきにおなりになるから、かえつて、真喜がお茶らかしてしまうんですよ。もうちつと、ほうつたらかしといて、自分で考えさしたらいゝんですよ」
と、母が、やつと、口を挟む。
「南条さんが、今どき、変に、固苦しいのよ。なにもわざわざ、叔父さんまで連れて来て、表玄関から申込むつていう手はないわ」
多津が、ずばりと、真理らしい一言をもらした。