Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ほうがんさぶろうのしょうたい

判官三郎の正体

野村 胡堂

Leggi 判官三郎の正体 (ほうがんさぶろうのしょうたい) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.587 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

「何をいうのじゃ、あれは泥棒の手先を働いた女ではないか、それ位の事は何んでもない」

「泥棒泥棒と仰しゃるが、男爵は一体何を盗まれたのです」

「――――」

「設計図は私のものですから、設計図の被害者なら、私でなければなりません。失礼ですが、男爵にはあの娘を窮命する何んの権利も持っては居られない筈です」

「深山君、言葉が過ぎようぜ、泥棒を引入れて、金庫を開けさしただけでも重大な罪ではないか」

忠義立てする黒津武を見も返らず、

「君の知った事ではない……サア鍵を下さい」

「そんな物はありません。何処かへ無くしてしまいました」

英子嬢の美しい顔は引吊って、今にも泣き出しそうです。

「仕方が無い、争って居る時間が無い。それでは、あの娘を救うために、私が外の手段を採っても、不服を仰しゃってはいけませんよ」

一本止めの釘を刺して、クルクルと上着を脱ぐと、ワイシャツの袖を捲くって、見かけによらぬ見事な腕を、窓ワクへかけ乍ら、

「スポーツマン達、見て置くがいい。僕のは山男流の体術だ、諸君のとは、少しばかり訳が違う」

と言い終らない内に、身体はスーッと伸びて窓の外へ、一つあおりをくれると、クルリと廻って、もう窓ワクの上へ立った気合、