Classici giapponesi con furigana
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ほうがんさぶろうのしょうたい
判官三郎の正体
野村 胡堂
Leggi 判官三郎の正体 (ほうがんさぶろうのしょうたい) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.587 caratteri · 25 schermate
「それで……」
深山茂の顔には、解き難い疑問が、氷った雲のようにただよいました。
「それで……どうも弱ったな、君のように冷たい顔をして居ると、話が仕悪くてしようが無い……」
「どんな顔をして居ればいいのだ」
「御挨拶だネ、そんな論理学的な表情を取り払って、精々社交的な表情をして居ると、おれの話は滑らかに進展する……まあいいや、結論だけ簡単にブチまけよう。こうだ、本にばかり噛り付いて、運動とか趣味とかいうものを考えないと、勢い現代の若い婦人方には受が悪い、とこういうのだ。判官三郎の体力は無くとも、せめて我輩や宮尾君のように、現代青年の身体はスポーツで鍛えて置いてもらい度いな」
「…………」
深山茂は、とうとう長椅子の方へ帰ってしまいました。この若い学究に取っては、許嫁の姫の素晴らしい美しさよりは、外国語の髭文字の方が魅力に富んで居たのでしょう。まして、黒津武の冗弁などは、物の数でもなかったのです。
「マア深山さん」
自分の魅力の前から、臭いものを見棄てるような無造作な態度で退いた未来の良人の後姿を追って、美しい姫の眼は一方ならぬ非難に燃えて居りました。
そこへ、若い女中が、磁器のお盆へ入れて、人数だけのコーヒー茶碗を運んで参りました。