Classici giapponesi con furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate
「うむ」というと紀州頼宣、お京を片手でつとささえた。「そちにとってはふた児の姉、君尾の身の上心もとない。駕籠は危険、矢弾のマト。杉窪まではわずか半里。そちも紀州頼宣の娘、勇を鼓して徒歩で行け!」
「早くお逢いしとう存じます! 一里でも二里でも三里でも、たとえ十里でもひろいます!」お京シャンと立ち上がる。
二発目の野砲、またもとどろき、ワーッという鬨の声! 正雪の一党斬り込んだらしい。
「さあ進め! 押し寄せろ!」頼宣の下知に五十人、頼宣とお京を真ん丸に包み、たいまつで道を振り照らし、頂上さして押しのぼった。
森を抜けると灌木の原。そこをよぎると草の斜面。頂上に近づくに従って、叫喚の声、剣戟の音、鉄砲の音が近まさり、手に取るように聞こえてくる。
「意外だ意外だ。どうしたことだ」頼宣走りながらうめくようにいう。
「いったい誰だ。攻めている奴は! ああ銅兵衛を殺したくない! あれは旧臣、忠義者だった! ……お京お京!」とその手を引き、「ゆえあってそちと君尾とは、生まれ落ちるから手もとに置けず、残念ながら嬰児のうちから、一人は銅兵衛、一人は平左衛門へ託して傅育させたのだが、逢わざること十数年! ……兵庫兵庫!」