Classici giapponesi con furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate
これがもう一足遅れようものなら、それこそ取り返しがつかなかったんだからねえ」
「あねご!」と谷から忠三の声、「築土が殺されておりますぜ!」
だがお町には聞こえない。依然広太郎に見入っている。
「傷は?」とお町、気がついた。だいた広太郎をそっと置き、まず胸をひらいてみた。「肩に三ヵ所胸に二ヵ所、みんな薄手だ、大丈夫。腕に八ヵ所、斬られたものねえ。だが安心、かすり傷だ。股に六ヵ所、たま傷、矢傷。ああ有難い、深手はない、精根をつからせてたおれただけだ。でもいったいどうしたんだろう? まるで戦場で斬り合ったようだよ」
「水だ!」という声がうしろでした。
振り返ってみると菅笠をかかえ、眼の前に忠三が立っている。「きつけ!」というとイスラエルのお町、腰から印籠を引きむしった。ふたをあけるのももどかしく、丸薬をつまむと歯でかんだ。それから水を含んだが、かたく食いしばった広太郎の歯、容易なことでは開こうとしない。気がついて抜いたのは小柄である。歯の間へソロソロと支う。わずかに開いたすき間から、口移しに流し込んだ。「袴様!」とそこでまた叫んだ。
と、かすかに身をうねらせ、二、三度まぶたを痙攣させたが、カッとばかりに眼をあけた。