Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate

Aozora Bunko

そうしてグルグル屋敷を、見廻るつもりです」

「成功をお祈りいたします」

「はい有難う存じます。どうぞあなたもお京様を、一日も早くお探しなさるよう、私もお祈りいたします」

また丁寧に辞儀をし合う。月がまるまると照らしている。

「ではお別れいたしましょう」

「はいお別れ、ご機嫌よろしゅう」二人左右へ別れてしまった。

とその時家蔭から、ピョイと飛び出した小男がある。

「いや面白いかけ合いだった。キーキーキー、キーキーキー猿のこわ色まではいったんだからなあ。……待てよ」と小男腕を組んだ。「こいつ笑ってはいられない。袴広太郎様の尋ね人、それも確か君尾といった。三吉猿の話も聞いた。文三という悪党が、かどわかしたということだが、今の野郎が文三かもしれねえ。それにしては安手だなあ、どっちみち後をつけてみよう、猿のいるというその屋敷に、君尾という娘がいるかもしれない。よし」というと足音を忍ばせ、ヒタヒタと後を追っかけたが、南蛮屋の主人忠三であった。

さて文三つけられるとも知らず、上野山内を根岸へおりた。今日の上根岸、六十番地にあたる辺、そこに立派な屋敷がある。グッと取りまわした厳重な高塀、庭木が森のように繁っている。