Classici giapponesi con furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate
それに恐らく邪魔をしましょう、ソレ袴様と逢うやつをね」
「ああなるほど、そりゃアそうだ。困ったねえ、こいつだけは」
「ね、あねご、こうしましょう。とにかくわきに隠れていて、様子を見ようじゃアございませんか」
「ああそれがいい。それがいい」
「そこで邪魔なは松明だ。がまさか火を持って隠れも出来ない」
忠三ポンと松明を、道の一方へふり投げた。「あねごこっちへ。隠れ場所!」
丘ぐらいはある灌木の叢、その陰へ隠れたものである。またも鉄杖の音がして、ユラユラと現われた白い物、行衣姿の島原城之介、捨てられた松明のそばまで来ると、ジャラーンと鉄杖を地面へ突き例によってそれへよっかかったが、ああなんと城之介変ったんだろう! まるで昔のおもかげはない。伸びていた腰が曲がっている。太っていた肉体が痩せこけている。顔には一段としわがふえ、そびえていた肩が落ちている。あの鋭かった眼光さえ、腐った水のようにドンヨリとしている。――一時に年が二十も増し、まるでヨボヨボ爺イさんではないか! 地上に捨てられた松明に照らされ、裾が明るく次第にぼけ、胸のあたりが朦朧と煙り、うつむいている顔ばかりが、病的にはなやかに輝いている。