Classici giapponesi con furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate
そうして肝心の木地師はといえば、家財を纒めてとうの昔、郷を見すててさすらいの旅さ! アッハハハ、いい気味だなあ」
トットと先へ走って行く。あとから全軍が引きつづく。手鎌が光る、足並みが揃う。さすらいの民のさすらいだ。未練も悲しみもそこにはない。
「今日はお天気、明日もお天気。おれにはわかるよ、明後日もな、きっとお天気に相違ねえ」また将右衛門しゃべり出した。
「結構な旅行、どこへ行く? どこかへ行くよ、心配はねえ。気に入ったところで住居する。そうしてやっぱり建てるのさ。山の小父さんから教えられた、水力じかけの工場をな! ……さあてところでお京様」
こういうと富士見の将右衛門、駕籠に乗っているお京の方へ、ヒョイと顔を振り向けた。
「あなたは紀伊様のお姫様、お妾腹とはいいながら、立派なご身分でございますよ。が、今では木地師の娘、で、だんだんと劫を経て、私たち仲間と同じように、お駕籠なんかに乗りっこなし。山であろうと野であろうと、トットとお歩きなさるよう、修業なさらなければなりませんなあ。さアてところで袴様」今度は富士見の将右衛門、ヒョイと広太郎の方へ顔を向けた。