Classici giapponesi con furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate
「ああそうかい、そいつあ有難う。永い間の念願が、それじゃいよいよ届くんだね」
「へい、さようでございますとも」
「うれしいねえ。お礼をいうよ。ああ本当に千べんでもね。だが……」とお町は不安そうに、
「競争相手もあるそうだが、そっちの方も大丈夫かしら?」
「まず大丈夫でございましょう」
「まず大丈夫とは気がかりではないか。確かに大丈夫でなけりゃあね」
「さようで」といったが早引忠三、渋面を作ったものである。
「へい、確かに大丈夫で」
「だってお前、競争相手は、ひととおりの奴じゃあないそうだが」
「その代わり味方にも大物がいます」
「でもね、お前、そのお方は、表に立ってはくださらないじゃないか」
「かりにも三家のご一人、立てるものではございませんよ」
「そうはいってもつながる縁、お母様さえあのままなら……」
「おっとおっと、そいつアいけねえ」
忠三は急いで手を振った。「死児の齢を数えるってやつだ。そんな事をいって何になります」
「さあ何にもなるまいがね」お町はちょっと憂鬱になり、「時々妾は考えるのさ。お母様さえなみの人で、今日までご存命なすったら、こんなみじめを見るんじゃあない、それこそ本当にお姫様で、外へ出るにも供揃い、駕籠に乗って行かれるのに……」