Classici giapponesi con furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Leggi 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.298 caratteri · 100 schermate
ハヤ釣に心得のある人なら誰でも釣れる。竿も仕掛も餌も釣方もハヤ釣とほとんど変るところがないのである。山釣のみやげとしてこれ程高貴な姿を持ち、珍味に値する魚は少いと思う。
海では大鯛釣に指を屈せねばなるまい。大鯛釣は贅沢な上に、大層むずかしい釣のように思われているのであるが、そうではない。海はいずれの釣でも同じように、万事船頭の指図によるのでこの大鯛釣も、舟に乗ってさえいれば、船頭が釣らせてくれるのである。目の下一尺五寸、二貫目もある淡紅の肌に瑤路の珠玉をちりばめた大鯛が鈎の先について来るのを見ては誰でも豪華な感じを禁じ得ないであろう。それが一日に三枚も五枚も釣れたならば、身は海上にあっても家族の者の喜び迎える賑やかな玄関の状況が自然に眼に浮んで来るに違いない。費用も安いのである、友人二人で行くとすれば交通費共に一日五、六円あれば充分である。競馬や、ダンスのような不純の感じの伴いやすい遊びにくらべれば、どんなに快くどんなに経済的であるか分らないのである。道具も、餌もすべて船頭の方に用意してある。体さえ持って行けばいい。東に房総半島、西に三浦半島を望んだ波静かな東京湾口で大鯛と闘う興味は、金銭にはかえられない思いがする。