Classici giapponesi con furigana
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だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
Leggi 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 84.198 caratteri · 171 schermate
約束といっても、別に心当りはないが、強いて云えば、ボンヤリということだ。この明確さは、どこか不自然なような気がするのだが、仕方がない。
谷村は蛙の正体を見ぬいて、素子がひそかに仁科を愛しているにしても、そういう夢は仕方がないと考える。夢のない人間はあり得ず、夢すらも持ち得ぬ人を愛し得る筈もないと考える。
谷村のこういう考え方が、私はどうも不満なのだ。素子に恋をさせ、この気どりをコッパ微塵にしてやりたい。それでもまだ、こんな風に、気取っていられるなら、そのときこそ大いによかろう。そう思う。そのくせ、素子はやっぱり恋をしそうもない。いや、素子がしそうもないのじゃなしに、谷村がそれを巧妙にくいとめているように思われるのだ。素子のひそかな夢を肯定して、夢は仕方がないものだと谷村が思うのは、私の希望がそこに反映しているので、つまり単なるひそかな、夢だけで終らせたいという、それは谷村自身よりも作者の作意であるような気もした。
それで、私は、谷村に素子を憎ませ、その恋心を嫉妬させ、衝突させようかと、大いに考えたのだが、どうしても、そうすることが、できない。やる気にならない。