Classici giapponesi con furigana
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よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
Leggi 夜明けの辻 (よあけのつじ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.801 caratteri · 86 schermate
「いま考えますと、まことに身の竦む思いでございますが、甲斐への旅中と、篠原村に滞在するあいだ先生のお教えを受けて、いろいろと発明いたしました……それで」
と伊兵衛は膝を正して云った。
「今後は道之進ともよく談合のうえ、微力ながら藩政御改革のために、一身をなげうって御奉公を仕りたいと存じます」
「……なんと申して、その言葉に答えたらいいか」
頼母は急に力の抜けたさまで眼を伏せた。
「なんと云ったらいいのか、功刀、遅かったぞ。わずかの間になにもかも変った」
「御家老……」
「山県先生が幕府の手にかかるのは時日の問題となった。わしの藩政改革に反対する一味の者は、すでに幕府へ訴状を出してしまった。万事挫折だよ、功刀」
「訴状とはどのような訴状です。先生を訴える理由があるのですか」
「幕府顛覆の謀反ありと称したのだ。この点だけなら先生は弁明をなさるに違いない。しかし当藩へ講演に見えられたとき、兵法問答のうえで江戸城攻略と、碓氷峠を中心にして軍略を述べられたことがある。むろん……これは先生の師事する者だけ集ったおりのことだし、問答の例として述べられたのだが、それを筆記した者があって訴状に精しく認めて出したのだ」