Classici giapponesi con furigana
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よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
Leggi 夜明けの辻 (よあけのつじ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.801 caratteri · 86 schermate
一の三
道之進も伊兵衛などは眼中にないと思っているらしい。しかも二人は奇妙にあい惹かれるものを感じていた。
もっとも面白い一例をあげると、伊兵衛には佐和と呼ぶ妹が一人あった。とびぬけた美人とは云えないが、家中では才媛の評が高い。それでもう十六七の時分から縁談をいろいろと持込まれた……中には母親のひどく気に入った話もあったが、伊兵衛は承知しなかった。
――拙者には亡き父上に代って責任があるから。
そう云ってみんな断ってきた。それが半年ほどまえ国老津田頼母を介して道之進から申込むと、待ってでもいたように承諾した――つまり道之進と佐和とはいま許嫁の間がらであり、二人はやがて義理の兄弟になるべき関係にあった。
「貴公なにを云うつもりだ」
道之進は相手の眼を見入りながら云った。
「大弐どのは殺されると云ったよ」
「どうして、山県先生がどうして殺されるのだ。誰が殺すと云うのだ」
「誰が殺すかと云えば大弐どのさ」
「……」
「山県大弐は自分で自分を殺すよ」
一の三
「伊兵衛、それは貴公の意見だな」
「これが拙者の悪い癖かも知れぬ。拙者は物ごとを捻くれて見るかも知れぬ。しかし大弐どのの説は叛逆の罪に当るぞ」