Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate

Aozora Bunko

死人を入れることにのみ専用するものと見せた寝棺が、生きて動き出した。こういうことがあるから、人を殺せば、血を見なければならないというのだ。敵に斬られることよりも、斬って止めを刺すことを忘れた武士の方が、うろたえ者と言われる。

果然! 寝棺の一端が動き出して、死人が物を言いました、

「御免下さいやす、つい、ほんの出来心でおましてな、悪い気でやったんじゃございませんのや、寒いもんでおますで、女房や子のやつが寒がっておますやでな」

死人がこういって物を言い出したのみならず、ペタリと、石川原の上へ、へばりついてしまって、大地に両手をついて、額をその間に埋めて、ベルゼブルにおわびをするのです。いやまだどっちがベルゼブルだかわからない。

竜之助は、そのお詫びの言葉を充分に聞き分けてしまいました。

「何をしているのだ」

「どうも、悪い気で致したのやおまへん、焼け出されでおましてな、女房子が寒がるもんやで……つい」

「つい、そこで何をしていたのだ」

「はい……これを一枚だけ、ちょっと、ほんの一晩のうち、お借り申したいことやと存じましてな」

訊問する者も、訊問される者も、わからない。