Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate
あの人の身は冷たいけれども、骨は赤い焼け爛れた鉄のようです。あの熱鉄が、ひたひたとこの肌に触れ、この身内がその時に焼かれる、あの濫悩、この黒髪がどろどろの湯になって溶ける悩楽を知るまい。幸内が好きだったのは、どうにでもこちらの自由になるから好きだったのだ。あの人のはそうではない。あの人はわたしをなぶり殺しにするつもりで、わたしを弄ぶから、それで好きなのだ。だから、わたしもその気になって、あの人の骨身を湯のように溶き崩してやるつもりであの人と取組んだ。弁信さん――お前なんぞが知ったことじゃないよ。
どこへ行こうとわたしの勝手じゃないか。わたしの方でもまた、弁信、お前なんぞが出ようとも、留まろうとも問題にはしていないが、あの人には逢いたいよ、あの人ばっかりは放せない、目の見えない人が好きなのだよ、わたしは……
お銀様の眼は、やはり天の一方を睨めながら、冷然として、こういって言い返してやったつもりだが、昂奮がおのずから形に現われて、お高祖頭巾がわなわなと慄えているのを見る。
その時に、お銀様の頭脳いっぱいに燃えたったのは、躑躅ヶ崎のあの九死一生の場面と、染井の化物屋敷でどろどろにもつれ合ったあの重苦しい爛酔、瞑眩、悩乱、初恋は魂と魂とが萌え出づるものだそうだけれども、魂と魂とが腐れ合って、そこから醗酵する快楽