Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate
人ならたれでもいいと思いますがね、二通り、三通り写して置けば商売にもなり、この際、焼け出された人の人助けにもなるのでございますが、なかなか人がございません」
こう言って、貸本屋の番頭が繰返してこぼすのを、ふと聞き咎めたお雪ちゃんは、急に口がどもるような気がして、
「あの、本屋さん……」
「はい」
「それはなんなの、素人でも丹念にやりさえすればいい仕事なの?」
「ええ、もう、こんな際ですから、本職ようの註文などをしてはおられません、少し絵心のある人で、見た眼の感じがよくさえあれば充分でございます、原本がたしかですから、透きうつしが利きますし、案外骨の折れない仕事でございます」
「では、本屋さん、ぶしつけですけれども、その仕事をわたしにやらせて下さらない?」
「え、あなた様が……」
「わたしでよろしかったらば……その写本にあるくらいのことはやれましょうと思います」
「それはほんとうに願ったり叶ったりでございます、あなた様ならば……」
貸本屋が乗り気になりました。
お雪ちゃんとしては、いい機会を捉えたもので、生活の真剣な苦しい思いが、お雪ちゃんをして、このいい機会を掴ませるようにおし進めたとも見られないではありません。