Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate

Aozora Bunko

「う、う、う」

とお代官は、連続的に一種異様なる唸り声を立てはじめたものです。

内なるお蘭さんは、この連続的な一種異様の唸りを聞くと共に、腹をかかえて笑いこけるのを我慢がしきれなかったに相違ない、大将とうとう泡を吹いた。泡を吹いたには違いないが、まだ本式の降参を申し入れたのではない。おれが悪かった、済まなかった、今後は慎しむから、今晩のところは、ひとつかんべんしてやって下さいという口上が出てこそはじめて、開門を差許すべきもので、まだこの辺の程度で折れては、今後の見せしめのためにも悪い……と、お蘭はこんなに考えているに相違ない。

「う、う、う、う」

連続的の泡吹きが、なおつづく。

お蘭さんはいよいよお茶を沸かしきれないのを、じっと我慢している。

「う、う、う、う」

もう一息の辛抱だ、もう一泡お吹きなさい、そうすれば助けて上げます……

「助けてくれ――」

おやおや、助けてくれ! は少し大仰だ、だが、まだいけない、わしが悪かったから、あやまりますという口上が出ない限りは……

しかし、この「助けてくれ!」の絶叫は、かなりにすさまじく、そうして真剣味を以て響いたものでありました。