Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate
「これは海図といって、海の道を写したものです。陸地には地図とか、絵図とかいうものがありましょう、それと同じことに、海にも海図というものがあって、航海者のたよりとなっているのです。ごらんなさい……こっちが陸で、こっちが海です。そうして我々のこの船は今、海の中の、ちょうどこの辺のところを走っているのです」
駒井は指で、海図の上のある一端を指摘しました。
「左様でございますか」
指差されたところを注視したけれど、お松としては、やはり茫洋たる海の中に置かれたと同様な心持で、さっぱり観念を得ることができないから、
「こんなに陸に近いのでございますか。それでも、ここにいますと、どちらを見ても陸地は少しも見えないではございませんか」
「全くその通りです、地図で見れば、ちょうどこの船のあるところは、磐城平に近い塩屋崎というところの沖に当りますが、ここにいては東西南北みんな海で陸地は見えません、またなるべく陸地の見えないようにと船をやっているのです。もっと近く陸地の見えるところを通れば通れるのですが、わざと見えないように船をやっているというわけはわかりますか。それは第一この船長が航海に慣れないのと、陸地からなるべく船の形を認められないようにとの用心のためなのですよ」