Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate
どうも、有難いやら、勿体ないやら、たまらない気持がした。なにも駒井の殿様が農業をなさるからといって、そんなに有難い、勿体ないはずはないのだが、天子様でさえも、百姓を大御宝とおっしゃって、御自分も鍬をとって儀式をなさる例もあると聞いていたのだから、駒井の殿様に限って、それを勿体ながるはずはないが、それでもなんだか、自分が尊くも勇ましくも感じて、涙がこぼれるほどであったのだ、自慢ではないが百姓ならば本業で、武蔵野の原で鍛えた腕に覚えがある、内職の方の興味と宿業が、ついつい今日までの深みにはまらせてしまったのだが、自分は本来、百姓が好きなのだ、好きな百姓を好きなように稼げない運命のほどが、自分の曲った内職を助長する結果になってしまったのだが、これから誰憚らず本職に立戻れる愉快。
駒井の殿様から頼まれて、農具の類もあとから買い集めて船へ積込んで置いたが、なお不足の部分は石巻へ行って買い足すことにしてある――種物類も、得られるだけは集めておいたが、なお奥州辺には変った良種があるだろう、この途中でもその辺を心がけておきたいもの。
そういうことを考えて、七兵衛は腰を上げて、勿来の関を下って聞いてみると、ここで田山白雲の影がいっそう鮮かになってしまいました。