Classici giapponesi con furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Leggi 工場細胞 (こうじょうさいぼう) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.234 caratteri · 184 schermate
その降り口が丁度「ラバー小屋」になっていた。知らずに降りてきた友達はフトそこで足をとめた。小屋の中に誰かいると思ったからだった。女の足をとめた所から少し斜め下の、高くハメ込んである小さい硝子窓の中に――男と女の薄い影が動いている。
――それがねエ!
女は口を抑えて、もっと低い声を出した。
男はこっちには背を見せて、ズボンのバンドをしめていた。女は窓の方を向いたまゝうつ向いて、髪に手をやっている。男はバンドを締めてしまうと、後から女の肩に手をかけた。そして片方の手をポケットに入れた。ポケットの中の手が何かを探がしているらしかった。
――お金よ! 男がそのお金を女の帯の間に入れてやったのよ、どう?
――…………※(感嘆符疑問符、1-8-78)
――で、その女の人一体誰と思う?
いたずらゝしい光を一杯にたゝえた眼で、お君をジッと見た。
――誰だか分ったの?
――それアもう! そういうことはねえ。
――…………?
――芳ちゃんさ!
――馬鹿な!
お君は反射的にハネかえした。
――フン、それならそれでいゝさ。
女は肩をしゃくった。
お君は一寸だまった。
――相手は?