Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
権七は小才のきく男で、商売の上にも仕損じがなく、どうにか一軒の店を持ち通すようになると、かれは年上の女房がうるさくなって来た。殊においねは旧主人をかさにきて、とかくに亭主を尻に敷く形があるので、権七はいよいよ気がさして来た。目と鼻のあいだには神明の矢場がある。権七はそこの若い矢取り女になじみが出来て、毎晩そこへ入りびたっているので、おいねの方でも嫉妬に堪えかねて、夫婦喧嘩の絶え間はなかった。
その晩もいつもの夫婦喧嘩から、一杯機嫌の権七は、店にならべてある商売物のなかから大工道具の手斧を持ち出して、女房の脳天を打ち割ったので、おいねは即死した。権七もさすがに驚いてどこへか姿をかくした。
安達の奥さんの消息はこれでわかった。古道具屋の店は森川権七の名になっているので、父がさがし当てなかったのも無理はなかった。二、三日の後に、父が米屋の主人に逢うと、主人もこの新聞記事におどろいていた。
「権七という中間はわたくしも知っています。上州の生まれだとか聞きましたが、小作りの小粋な男でした。あれが御主人の奥さんと夫婦になって……。おまけに奥さんをぶち殺すなんて……。