Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
しかし、その鑑定は間違っているらしかった。医師の検案によると、男は劇薬をのんでいるらしいというのであった。女の方にその形跡はない。女は諸人の想像通りに、頭部を石で打たれて気絶してそれから凍え死んだものであろうという診断であった。こうなると、二人の死因が容易に判らなくなって来た。
もう一つの不思議は、この婦人が紛失したといった狸の皮が、その座敷の戸だなの隅から発見されたことであった。百八十円で買ったとかいう狸の皮の裏には黒い汚点のあとがところどころに残っていて、それは生々しい人間の血であると医師は言った。婦人は故意に紛失したといって騒いだのか、あるいは戸棚の隅へしまい忘れていたのか、それは判らなかった。
「それにしても血のあとがおかしい。」と、古河君は首をかしげた。
そのうちに彼はふとある事が胸に泛かんだ。それは古河君がきのうの一番汽車で出発した越後の町のある旅館で、宿泊客の一人が劇薬自殺を遂げたということであった。古河君はそのとなりの旅館に泊まっていたので詳しいことは知らないが、なんでも男と女との二人づれで、女は宵から出て帰らない、男は劇薬をのんで死んでいたという噂であった。