Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
「日が暮れないうちに早く帰れよ。」
小父さんの優しい声をうしろに聞きながら、僕はふたたび耄碌頭巾をかぶった人となって、もと来た路をまっすぐに急いで帰った。この頃の日はまだ短い。途中で日が暮れたら大変だと思いながら、僕は小さい足を早めて行くと、原の途中まで来かかった頃には日の影がだんだんに薄れて来て、広い平原をざわざわと吹いて通る夕暮れの風が、いよいよ身にしみ渡るように思われた。僕は手紙をふところに入れて、俯向きながら急いで行くと、僕の目のまえに、一人のうしろ姿があらわれた。おそらく突然にあらわれた訳ではあるまい。僕はさっきからうつむいて歩いていたので、自分の行くさきに立っている人間のあることを今まで見いださなかったのであろう。いずれにしても、この寂しい原なかの夕暮れに、突然自分の前に立っている人影を発見したときに、僕はぎょっとして立ちすくんだ。
その人は鼠色の法衣を着て、おなじ色の頭巾をかぶっていた。白足袋に低い朴歯の下駄をはいて、やはり俯向き勝ちにとぼとぼと歩いていた。そのうしろ姿をこわごわ透かしてみて、僕は少し安心した。その僧形の人間は、僕の村はずれの小さい堂を守っている地蔵尼という尼僧らしく思われたのであった。