Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
日を経るにしたがって、その恐怖がいよいよ彼のたましいを脅かして、自分が狸に取りつかれたように感じられて来た。かれは取り留めもないことを口走って、とうとう自分のからだを暗いところへ運ぶようになったのであった。しかしかれ自身が尼を殺したのでないという申し開きが立って、軽い懲役で済んだ。
兄もその以上のことは知らないらしかった。
「話はまずそれだけのことさ。」と、梶沢君は言った。「結局、その地蔵尼はどうして死んだのか判らないことになっているのだ。今日であったならば死体解剖の結果その死因を確かめることも出来たのだろうが、なにしろ明治十四五年の頃で、しかもまだ開けない田舎の村の出来事であるから、とうとうそれなりになってしまったらしい。警察では無論に狸とは認めていないが、土地の者は今でも半信半疑で、やはり狸尼の噂が残っているのを見ると、むかしから各地に伝えられている怪談も、大抵はこんなたぐいが多いのだろうと想像される。それで、尼の死因はまず疑問として、もう一つの疑問は尼と石地蔵との一件だ。夜ふけに石地蔵を抱いて何事をかささやいていたとかいう、それを僕の父が解釈したように一種の宗教狂と認めることが出来ないでもないが、僕は医学上の見地からむしろそれを一種の色情狂と認めたいと思っている。