Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
宿へ帰って風呂にはいっていると、お島さんは風呂の入口から顔を出した。
「あのハンケチを届けて下すって……。」
「いや、追いつかないので止めたよ。」
「追いつかないので……。水沢さんはどこへ行ったんです。」
「海の方へ行ったよ。小舟に乗って……。」
「一人……。」
「むむ、一人で漕いで行ったよ。」
「まあ、漕げるんでしょうか。」
「そうらしいね。」
それっきりでお島さんは行ってしまった。僕はやがて風呂からあがって、自分の座敷へ戻ってくると、女中のお文さんが夕飯の膳を運んで来た。
「お島さんがあなたのことを嘘つきだと言っていましたよ。」と、お文さんは給仕をしながら笑っていた。
「なぜだろう。」と、僕も笑っていた。
「だって、ハンケチを水沢さんに届けてくれとあなたに頼んだら、舟に乗って行ってしまったなんていって、届けてくれなかったというじゃありませんか。」
「ほんとうに舟に乗って行ったんだよ。」
「ほんとうですか。」
「うそじゃない。帰って来たらきいて見たまえ、僕は確かに見たんだから。」
飯を食いながら僕はお文さんに訊いてみた。
「お島さんはなぜ水沢さんのことばかり気にしているんだ。