Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
「そんなものをどこから持ち出して来た。」と、わたくしはぎょっとして訊きました。
与助は町の方を振り返って指さしました。町の古道具屋で買って来たらしいのです。いくら顔を見識っているといっても、こんな低能児に刃物を売るというのはけしからんと思いながら、わたくしはその短刀をぬいて見ますと、中身はよほどさびていて到底実用にはなりそうもありませんでした。それにしても刃物である以上、それをむやみに振り廻されてはやはり危険ですから、わたくしはすぐに取り上げてしまいました。
「お前はここのうちを知っているのか。」
「むむ。」と、与助はうなずいてみせました。
「ここの家へはいってどうする。」
与助は物凄く笑っているばかりでした。わたくしはかれの腕をつかんで、五、六間手前までぐいぐいと引き摺って行って、また小声で訊きました。
「お前あの家の人を殺すつもりか。え、そうか。」
与助はやはり黙っています。わたくしは手真似をまぜて又訊きました。
「あの家の人がおまえのお父さんを殺したのか。え、そうか。そんなら私がかたきを取ってやる。どうだ。それに相違ないか。」
「むむ。」と、与助はまたうなずきました。