Classici giapponesi con furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Leggi 支那游記 (「しなゆうき」) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.859 caratteri · 105 schermate
十四 罪悪
紅茶の御馳走になった後、我々は氏に案内されて、家の後にある広庭へ出て見た。庭は綺麗な芝原のまわりに、氏が日本から取り寄せた桜や、幹の白い松が植わっている。その向うにもう一つ、同じような鼠色の三階建があると思ったら、それは近頃建てたとか云う、鄭垂氏一家の住居だった。私はこの庭を歩きながら、一むらの竹の林の上に、やっと雲切れのした青空を眺めた。そうしてもう一度、これならば私も清貧に処したいと思った。
此原稿を書いて居る時、丁度表具屋から私の所へ、一本の軸が届いて来た。軸は二度目に訪問した時、氏が私に書いてくれた七言絶句を仕立てたのである。「夢奠何如史事強。呉興題識遜元章。延平剣合誇神異。合浦珠還好秘蔵」――そう云う字が飛舞するように墨痕を走らせているのを見ると、氏と相対していた何分かは、やはり未に懐しい気がする。私はその何分かの間、独り前朝の遺臣たる名士と相対していたのみではない。又実に支那近代の詩宗、海蔵楼詩集の著者の謦咳に接していたのである。
十四 罪悪
拝啓。上海は支那第一の「悪の都会」だとか云う事です。何しろ各国の人間が、寄り集まっている所ですから、自然そうもなり易いのでしょう。