Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Leggi 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.454 caratteri · 357 schermate

Aozora Bunko

或る朝、夏は赤児を抱いたまま、これも顔色を変えながら言った。

「いま大へん咳をなすった、そしてからだをブルブル震わせなさるんですもの、びっくりしてしまいまして――。」

「ブルブル震わせた?」

妻はすぐ抱きとったが、しかし別にかわりはなかった。あやして見ると微笑い、ううと言った。

「しかし顔色がわるいな。どうも気になる青さだ。」

私は赤児をさしのぞき、いくらか力なさそうにしている瞳の色を見た。何となく寂しい気がした。赤児のわるい顔色と勢のない眼のいろは、いつも私にイヤな寂しい気をおこさせた。それがいつもよりずっと変な気にならせた。

「足をみろ。」

「冷えています。けれどもほら微笑っていましょう。」

「床にねかしておいたらどう。」

「下に置くと泣き出すのです。泣くと咳が出てぜいぜい遣るんです。」

「困ったな。どうすればいいんだか。」

やはり抱いているより外に仕方がなかった。気のせいか、脣の色まで、いつもより紅いところがなかった。医者は喘息の発作だと言い、実際それ以外に何等の徴候とてはなかったのである。

あやすと微笑い、山羊乳もいつもほど飲んだが、むやみに頭を振り、物憂そうにしていた。