Classici giapponesi con furigana
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Leggi 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 123.012 caratteri · 245 schermate
駐輦は、二夜にわたった。
二日めは、夕方から小雨となり、さしも人出をみた盛事も、うそのように、ひそまり返り、寒ざむと、しぐれるやみを、ま新しい金堂の荘厳が、遠篝りの光りに、夢かのような明滅を大きく描いているだけとなった。
『やれやれ。ようやく、落着けたか』
武者たちは、仮屋仮屋で、いまが晩い夜食だった。賜酒はあったが、きのうから、飲むひまはなかったのだ。狩衣の者は、狩衣を火に乾かし、具足の者は、具足を解いて、土杯を、飲みまわすもあり、糧を食べはじめているのもある。
『うわさは、ほんとなのかも知れないな。ついに、源ノ渡は、供奉のうちに、見えもしなかった』
『渡? ……。あ、袈裟の良人か。その渡が、どうかしたのか』
『うん。御幸のまえに、花園殿(左大臣源ノ有仁)まで、暇ごいに、まかり出たので、花園殿には、御意見あって、止められたそうだが、やがて、院の別当へも、辞表をとどけ、それきり都に姿を見せぬという、はなしだが』
『ほ。何を、思うて』
『いうまでもない。妻のあだ、遠藤盛遠を討たずにはと、怨念にかられて、旅立ちしたにちがいない。街をあるけば、あれが、妻を殺められた男よと、人に指さされるのも辛い――といっていたそうだ』