Classici giapponesi con furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Leggi 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 337.181 caratteri · 676 schermate
寺子屋師匠の老人は、老人らしくない激越な語気ですぐ云いつづけた。
『御領主が、江戸城で、馬鹿者の刃にかかって、御重体だという噂が、わし等の耳に入ったのは、ゆうべの真夜半だ。――それからの領民の騒ぎ……いや、悲しみ……なかなかこんなものじゃない』
訥々と、痛心を吐く言葉には、どこか迫るものがあって、同じように、主家の崩壊に立っている藤左衛門は、敵の民とはいえ、惻々と、情に於て、共に、この悲しい出来事を悲しむ気もちにならないでは居られなかった。
『……御領主は老年じゃ。真額の傷、背の傷、浅傷とは聞いたが、御養生はどうであろうか。……折から、横須賀村の御菩提所、華蔵院には、御先祖法要のために、江戸表から夫人の富子様に侍臣小林平八郎様が従きそうて、先頃から御逗留中でいらせられた。――そこへの悲報じゃ、夫人のお驚き、又、百姓町人共の怒り方、この暁方へかけての騒ぎは、貴様たちに、見せてやりたいくらいなものじゃ』
三平は、渇いた口をむすんでいた。藤左衛門も黙然と、老人の説くのに任せた。
『それだけでも分ろうが、人は知らず、わし等が御領主は、わし等にとっては親のように思うているのじゃ。