Classici giapponesi con furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Leggi 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 337.181 caratteri · 676 schermate
が、やさしく云った。
『助右衛門』
『はい』
『この雛の干菓子を、外の、船頭の子に遣らせて賜も』
『あっ、お菓子を……ですか。あ、ありがとう存じまする』
助右は、背に、自恥の汗をながしながら、船頭の女房にかわって、地へ頭をすりつけた。
押しいただいて、立とうとすると、
『後で、まいちど来い』
こんどは、内匠頭が云った。
助右は、紙につつんだ干菓子を持って、石垣の上から、船頭の女房にやった。そして、奥方の思し召であるぞと云って聞かせると、船頭の女房は、嬰児と一緒に、泣いてしまった。掌をあわせて塀の内を拝みながら、繋綱を解いて明石橋の外へと、流れて行った。
『――不可んなあ、俺はまだ、だめだ。侍になれていない。強がるばかりが、士道ではない。殿も奥方もお叱言は仰しゃらなかったが、お心の裡では、助右も、床しげのない奴じゃと、ささだめし、お蔑みであろう』
彼は、まったく自分を恥じた。お数寄屋の庭へもどって行った。内匠頭から、用向きを云い出される迄は、自分の無慈悲なことばを、胸の中で咎めていた。
落松葉を撒いた庭先へ両手をついて、
『なんぞ、御用にござりますか』
『うむ、助右衛門か。