Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate

Aozora Bunko

うと飛んで出たところへ、貴殿がふらふらと迷ってお出なすったという次第じゃ。それから先は御存じの通り、――それにつけても沼田正守、当年九十一蔵に至るまでまだ一度も女子に惚れたことはおじゃらぬが、男の尊公ばかりにはぞッこん参りましたわい。それ故にこそ由々敷大事の秘密まで打ちあけてのお願いじゃ。一揆を起すか刺し殺すか、どうあっても十郎次どのに今日のごとき非行お改めなさるよう、御意見申上げねばならぬ。いかがでおじゃろう、強ってとは申さぬ。同じお直参のよしみもござろうゆえ、旗本八万騎にその位は当り前と、十郎次どのに御味方なさるならばなさるで、それもよし、少しなりとこのおやじに見どころがござらば、先程とくと拝見仕った尊公のあのお腕前と御胆力、少々御用立て願いたいのじゃ。否か応か御返答いかがでおじゃる」

「なるほど、事の仔細も御所望の筋もしかと分り申した。もしこの主水之介が否と申さば?」

「知れたこと、この場に先ず御貴殿を血祭りに挙げておいて、老体ながら沼田正守、一揆の一隊引具し、今宵にも御領主の屋敷に乱入いたし、力弱き農民百姓達を苦しめる助の平の大和田十郎次めにひと泡吹かすまででおじゃるわ」