Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate

Aozora Bunko

「言うがまでもない。あの真中にいるのが、確かに昼間見かけた黒住団七じゃ。思うに、同藩のよしみじゃとか何とか申して、はき違うべからざる武士道をはき違えおる愚か者共じゃろうよ」

「笑止千万な! では、手前も久方ぶりに揚心流を存分用いて見とうござりますゆえ、お助勢お許し下されませ」

「ならぬ」

「なぜでござります」

「退屈男の名前が廃るわ。そちはこれにてゆるゆる見物致せ」

言うや、ひらり、体を浮かしたとみえましたが、およそ不敵無双です。槍、剣、合わしたならば二十本にも余る白刄の林の中へ、恐るる色もなくぱッとおどりおりました。

しかも自若としてそこに生えたるもののごとくおり立つと、腰の物を抜き合わそうともせず、あの凄艶無比な額なる三日月形の疵痕を、まばたく星あかりにくっきり浮き上がらせながら、静かに威嚇して言いました。

「よくみい! この疵痕がだんだん怖うなって参るぞ。抜かば斬らずにおけぬが篠崎流の奥義じゃ。いってもよいか」

しかし、相手の前衛を勤める六人の浪人共は、今、もう必死とみえて、いずれも呼吸のみ荒めながら無言でした。

「ほほう。大分、胸に波を打たせて喘ぎおるな。