Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate

Aozora Bunko

しかし、真中の市毛甚之丞! そちには小塚ッ原で、獄門台が待っているゆえ、今宵は生かしておいてつかわすぞ。では、左の二人、参るぞ」

物静かに呟きながら、大きく腰がひねられたかと見えた途端!――きらり、玉散る銀蛇が、星月宵にしゅッと閃めいたと見えるや、実にぞっと胸のすく程な早技でした。声もなく左の二人が、言った通りそこへぱたり、ぱたりとのけぞりました。同時に退屈男の涼しげな威嚇――。

「みい!――今度は右側の三人じゃ。参るぞ」

言いつつ、片手正眼に得物を擬して、すい、すい、と一二歩近よったかと思われましたが、殆んどそれと同時でした。

「生兵法を致すゆえ、大切な命をおとさねばならぬのじゃ。そら! 一緒に遠いところへ参れ」

一歩、さらにずいと歩みよって、右へ一閃。

「早うそちも行けッ」

つづいてまたすいと歩みよって、さらに一閃。

「主水之介とは段が違うわ。急いでそちも地獄へ参れ!」

そして、不敵にも刄を引きながら、しゅッしゅッと一二遍、血のりの滴を振り切っておきながら、至って物静かに市毛甚之丞に言いました。

「みい! これが主水之介の正眼くずしじゃ。段々とあとへ下がりおるが、怖うなったか」