Classici giapponesi con furigana
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Leggi 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.813 caratteri · 302 schermate
奥山の炭焼の烟(けむり)に燻(くすぶ)って、真黒になって、それでも働く人のあるというのは――何の為だ。皆(みんな)、生きたいと思やこそ。自分の命より大切なものが世の中にあるかよ」
と言って、源は板橋村の人家から青々と煙の空に上るのを眺めました。お隅は恨めしそうに、
「貴方は自分の命がそんなに大切でも、他(ひと)の命は大切じゃごわせんのかい。貴方が生きたけりゃ、私だっても生きたい」
「解らねえなあ、何故女というものはそう解らねえだろう。それだによって、己が暗い中から起きて、忙しい手間を一日潰(つぶ)して、こうしてお前を馬に乗せて、連れて行くとこじゃねえか。命が惜くねえもんなら、誰がこんな思いをして、平沢くんだりまでも行くものかよ」と源は気を変えて、「つまらねえことを言うのは止してくれ、お前が助からんけりゃ、己も助からん」
「貴方はそう言いなさるけれど、私だっても他人じゃなし、一緒に死ぬなら好(いい)じゃごわせんかえ」
とお隅は源の姿を盗むように視下(みおろ)して、蒼(あおざ)めた口唇(くちびる)に笑(えみ)を浮べました。源は地団太踏んで、
「真実(ほんとう)に、お前はどうかしてる。